寝汗で背中ニキビは出来やすくなる!?実は大切なパジャマ選び
第1回では睡眠不足がいかに背中ニキビに「良くないか」について見ていきました。
・睡眠は細胞が修復する大切な時間なので、睡眠不足は背中ニキビ治癒の妨げにもなっている。
キレイな背中を目指すなら、いつまでも「睡眠不足」に甘んじているわけにはいかないことが、実感をもってわかっていただけたかと思います。頭で理解したら、次は行動あるのみ!ということでここからは、快眠を得る具体的な行動を見ていきたいと思います。
第2回の今回は、快眠の妨げになりかねない「寝汗」について、背中ニキビとの関係とともに具体的に解明していきます!
もくじ
「寝汗」とは?
そもそも「寝汗」とは何でしょう?「寝汗」とは読んで字のごとく「睡眠中にかく汗」の事です。睡眠中の体温調整や、悪夢を見たときなどに、人は寝汗をかきます。
「汗をかいたままにしておくと、何となくお肌に悪そう。寝ている間は汗も拭きとれないから、寝汗はきっと背中ニキビに良くないだろうし、快眠の妨げにもなりそう。」と思う方もいるかもしれませんね。
しかし、実はそうとも言い切れないのです。
汗には種類があります。「良い汗」や「悪い汗」という言葉を耳にしたことのある方は、結構多いかと思います。でも、具体的に「何が良くて、何が悪い」のか、知っていますか?そもそも「汗」って何でしょう?
今回はまずその辺りを深堀していきたいと思います。
「良い汗」とは
汗の原料は血液です。
血液から赤血球などを取り除いた液体から「汗のモト」が作られます。この汗のモトは、赤血球などは取り除かれていても、各種ミネラル成分はまだ残ったままです。汗のモトは、私たちの皮膚にある汗腺の「分泌部」という所でつくられます。そこから皮膚表面にたどり着くまでの間に、残っているミネラル成分は体にとって必要なので再吸収されます。
つまり、汗が皮膚の表面にたどり着くまでに「汗のモト」からミネラル成分がろ過される過程がある、という訳です。
このろ過機能が正常に働いていれば、表面に出てきた汗は99%水分になります。限りなく水に近い状態の汗は、皮膚の表面で蒸発しやすく、その際に気化熱を奪うことで効率よく体温調整をしてくれます。
という事は、寝ているときにかく寝汗も、このようにきちんとろ過されたものであれば、すぐに蒸発してしまうので、お肌には悪影響を及ぼさないと言えるでしょう。体温調整機能もしっかりと果たすので、快眠の妨げになる事もありません。
きちんとろ過され、限りなく水に近く、蒸発しやすい汗。これがいわゆる「よい汗」と言う訳です。
「悪い汗」とは
では、逆に「悪い汗」とは?「悪い汗」とは、ろ過機能がうまく働かなかった時に出る汗です。
一般に汗の量が多くなると、ろ過が間に合わず、ミネラル成分を多く含んだままの汗が皮膚表面で出てきてしまいます。このような汗はネバネバしているため蒸発しにくく、体温調整の効率も悪くなります。また、この様なネバネバな汗は、お肌にとっても不快な刺激になります。
きちんとろ過されず、ミネラル成分を多く含んだ、蒸発しにくいネバネバの汗。これが「悪い汗」です。
「悪い汗」だと、体温調整が上手く行かずに暑さを感じたり、ネバネバの汗が皮膚表面で皮脂と混ざって酸化する事で、肌のコンディションにマイナスの影響を与えたり、ひいては痒みを引き起こしたりすると、私たちの快眠は大きく妨げられる結果となってしまいます。
まとめると、
「良い汗」であれば、寝汗も「背中ニキビ悪化」や「快眠の妨げ」になることはない。
しかし、
と言えるわけです。
私も「良い汗」をかきたい!
こうなると気になってくるのは、「私は良い汗をかけているか?!」ではないでしょうか。これは簡単に確認できます。一度自分の汗をなめてみてください。水のように味がしなければ、「良い汗」をかけていると言えます。
逆に、しょっぱかったり酸っぱかったりするなら、それは不純物が含まれている証拠で、「悪い汗」をかいているという事になります。
「悪い汗」だったあなた!「良い汗」をかけるようになりたいですよね。それには、この汗腺のろ過機能を強化する必要があります。実は、このろ過機能、汗をかけばかくほど機能が高まるという特徴を持っています。よって、普段から適度な運動をして汗をかくようになれば、「良い汗」をかけるようになります。
さらには、寝るときの環境や着るものにも対策を講じていくと、より「良い汗」に近づいていくことができます。
寝汗と睡眠と背中ニキビの関係とは?
「寝汗」と「睡眠」と「背中ニキビ」の関係について、今一度まとめてみましょう。
汗には「良い汗」と「悪い汗」が存在しており、寝汗もしかり。限りなく水に近い「良い寝汗」なら体温調整をしっかりと助け、快眠の妨げにはならない。
問題なのは、「悪い汗」。ろ過しきれずに不純物を多く含んだ寝汗をかいた場合、体温調整が上手く行かないだけでなく、皮膚の表面に残った汗は好ましくない刺激となり、快眠を妨げる。快眠が妨げられ、睡眠不足に陥ると、冒頭でも述べた通り、新たな背中ニキビが発生する好条件が整ってしまう。
となると、今「悪い汗」をかいている場合は、快適な温度環境をつくる事で体温調整を助け、汗をしっかり吸収する素材を身にまとう事でお肌を助けてあげるのが、理にかなっていると言えるでしょう。
まずは快適な睡眠環境から。快適な睡眠環境って何でしょうか?
ある寝具メーカーの研究によると、寝室の温度については、冬場は22~23℃、夏場は25~26℃が理想的との事。また快適さにおいては湿度も重要で、湿度は50~60%が丁度良いようです。
果たして、この環境はどう作ればいいのか?残念ながら、「これ!」という一つの正解を提示する事はできません。みんなの住環境も心地いいと感じる感覚も違いますからね。
とりあえず、温度計・湿度計は用意しましょう。自分が心地いいと感じるものを数字で把握するのは、その状態を繰り返し再現する上で、非常に役に立ちます。ちなみに、エアコンを使う場合の適温は、冬なら19℃、夏なら27℃というのが一般的な様です。エアコンで乾燥を感じる場合は、枕元に濡れたタオルなどを干すのも効果的です。
室内環境だけでなく、寝具の中の環境も実はとても重要です。肌が直接感じる温度ですからね。寝具の中は温度が33±1℃、湿度が50±1%が快適とされています。
自分にとって一番快適な温度を、微調整しながら探っていきましょう。
背中ニキビに実は大切な、「パジャマ」選び
次に、寝ているときに着る「服」についてです。「悪い汗」をしっかりと吸収してくれる素材だと頼もしいですね。同時に、体がリラックスできるように、締め付けの少ないゆったりした服の方が快眠につながりそうです。
どんな服がいいのでしょうか?それはずばり「パジャマ」です!特に、寝るときは「Tシャツとスウェット」派の方々。一度「パジャマ」に戻ってみませんか?
パジャマとは「眠るためにデザインされた服」です。適度なゆるさ、寝返りなどのしやすさ、汗を吸い取る吸水性、吸湿性、優しい肌触りなど。快眠に必要な要素をしっかりと兼ね備えているのです。
一般的に、「吸水・吸湿性」に選れているとされる素材は、
・シルク
・麻
などです。逆にポリエステルなどの化学繊維は、吸湿性が劣るので不向きと言えるでしょう。実際に触れてみて、心地よく感じる素材を選びましょう。
また、形については、袖などの開口部分にしぼりのないもので、普段より1サイズ上が快適と言われています。形を選ぶ際には、ファッション性は「二の次」にしましょう。色や柄に好みを反映させればいいのですから!
しっかりと機能をチェックし、肌触りを確認してから、自分にとって最適なパジャマをいくつか選んでみてください。
まとめ
今回の記事では、「寝汗」と「快眠」と「背中ニキビ」の関係について深堀してきました。
(1)汗には「良い汗」と「悪い汗」があり、ほぼ水に近い「良い汗」であれば「快眠」にも「背中ニキビ」にも問題ない
(2)問題なのは「悪い汗」。不純物を多くふくむ汗は、体温調整を難しくするだけでなく、それ自体が肌にとって好ましくない刺激となり、快眠を妨げる。快眠を奪われると、新たな「背中ニキビ」発生の原因にもなる
(3)「良い汗」をかくには適度な運動が効果的
(4)快眠に適した室内環境は、冬場は22~23℃、夏場は25~26℃。湿度は50~60%。さらに寝具の中にも気をつかう、温度が33±1℃、湿度が50±1%が理想的。
(5)寝るときの服装も重要。寝るためにデザインされた「パジャマ」を着て快適な睡眠を。
いかがでしたか?残念ながら今は「悪い汗」をかいているあなた。今お住まいの住環境を踏まえ、快適な環境作りを工夫し、寝るときの服装も見直して、「悪い汗」から背中を守っていってほしいと思います。同時に「良い汗」をかけるようになるために、適度な運動も重要でしたね。
次回は、この「運動」について背中ニキビに与える良い効果を解説して行きたいと思います。そして、どうしても運動できない状況にある方向けに、代替案としてマッサージも取り上げます。