洗濯洗剤や柔軟剤は背中ニキビの原因になる!?その真相とは
極度の敏感肌やアトピー肌を持っている方であれば、洗濯洗剤や柔軟剤を慎重に選んで、自分の肌に合う「刺激の少ない」「優しい」ものにするのは当たり前になっているかもしれません。ですが、なかなか治らず悩ましい背中ニキビも、実は洗剤や柔軟剤が関係している可能性があります。
背中は、衣類が直接肌に触れるところです。そして1年を通して風通しが悪く、また、汗腺が多く存在し多量の汗をかきやすい所です。背中ニキビが出来る肌環境は繊細なので、衣類に残ったわずかな洗剤成分や柔軟剤が多量の汗に溶け出し、背中への刺激になっている可能性があります。
背中ニキビは毛穴に皮脂や汚れが詰まることで起こるので、刺激のある洗剤成分が背中に残ってしまっては、肌荒れに繋がってしまうことは容易に想像できますよね。
この記事では、洗剤が本当に背中ニキビの原因になっているのか?柔軟剤も背中ニキビに悪影響があるのか?を改めてお伝えしながら、どうやって「お洗濯」をすることで衣類を清潔に保ち、そして背中ニキビの発生を抑えられるのか、解説していきます。
あなたの治らない背中ニキビは、この洗剤が原因だったかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
実は洗濯洗剤は、ほぼ無害なのです
早速ですが、実は背中ニキビと洗濯洗剤はあまり「因果関係がない」のが結論です。つまり、洗剤はほぼ無害ということです。
洗濯洗剤それ自身には洗浄成分として界面活性剤が入っていますが、洗濯機で洗ってしまえば、最後のすすぎで洗浄成分は綺麗に流れていきます。特に近年の洗濯機の性能はかなり良いので、すすぎも十分されて洗剤残りがおこることはほぼ無いでしょう。
よって洗剤が衣類に残り、それが背中ニキビに影響を起こしているとは考えにくいです。因みに、せっかくなので代表的な選択洗剤の成分を見てみましょう
アリエールです。成分は
・界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、純せっけん成分)
・安定化剤
・アルカリ剤
・水軟化剤
・分散剤
・酵素
・蛍光増白剤
です。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩は、ウィキペディアなどで調べられた範囲だと、濃度が濃くなると皮膚刺激性が強くなるようです。
また、このアリエールの「使用上の注意」にも書かれていますが、「荒れ性の方や長時間使う場合、また原液で使う場合は炊事用手袋を使う」という記述があるように、直接原液を触るようなことは、なるべく避けたほうが良さそうです。
確かに原液そのものは刺激性が強そうですが、しかし、一般の使われ方(洗濯機で洗う)をしている以上は、衣類に成分が残留することはありませんので、背中ニキビの影響について気を揉む必要はないでしょう。
背中ニキビの原因は「柔軟剤」だった!その中身とは!?
一方で、背中ニキビで心配すべきことは、実は「柔軟剤」のほうです。
柔軟剤の主成分は「陽イオン界面活性剤」と呼ばれるもので、ヘアトリートメントやコンディショナーと同じ成分です。洗濯して綺麗になった部分に吸着して、衣類の質感を滑らかにしてくれますが、実は残留性がとても高く、敏感肌には刺激があるとされています。この衣類に残留した界面活性剤が汗と一緒に溶け出し、肌に刺激を与え、背中ニキビを引き起こしているのです。
また、最近の柔軟剤は「香り」を売りにしているものが多いですよね。大量の香料をいれている商品が多いということです。実はこの香料は、人によってはアレルギーを引き起こす可能性があり、とてもリスクの高いものです。体質によりますが、臭いを嗅ぐだけでアレルギー反応が起こり、それが蕁麻疹やニキビにつながった、ということも考えられます。
参考までに、代表的な柔軟剤の成分をみてみましょう!
フレア
【成分】
・界面活性剤(エステル型ジアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
・香料
・安定化剤
ばっちり「香料」が入っていますね。
ハミング
【成分】
・界面活性剤(エステル型ジアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
・風合い向上剤
・繊維潤滑剤
・安定化剤
フレアもハミングも同じ会社だからか、界面活性剤の成分は同じです。ですが、ハミングには「風合い向上剤」や「繊維潤滑剤」が入っているのが違う点です。この「風合い向上剤」や、「繊維潤滑剤」って、とても曖昧な書き方だと思うのですが、成分名として、本当は何が入っているのか気になりますね。
背中ニキビへの刺激を考えると、分からないものは使いたくないですね。
ランドリン
【成分】
・界面活性剤(エステル型ジアルキルアンモニウム塩)
裏面に記載されている成分はこれだけでした。一見、ほかの柔軟剤より成分が少なくて肌への害も少ないのでは?!と思いますが、一応メーカーに電話で確認したところ、やはり香料やその他の成分もいろいろ入っているとのことでした。成分名は企業秘密のようです。
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どの柔軟剤にも界面活性剤(エステル型ジアルキルアンモニウム塩)が入っていることが分かりました。これがトリートメントなどと同じ成分の「陽イオン界面活性剤」と呼ばれるもので、再三になりますが、残留性が高く、肌への刺激となる可能性が高い成分です。
よって、背中ニキビに悩んでいる時は柔軟剤の使用を避けたほうが賢明です。
柔軟剤と上手に付き合って、背中ニキビを治す!
背中ニキビは洗剤の影響はほぼないことが分かり、代わりに柔軟剤が背中ニキビの原因である可能性をお伝えしてきました。
でも、お洗濯をして服がごわつくのが嫌!という方もいるかもしれません。今まで柔軟剤に慣れてしまっていたら、使わないのはちょっと抵抗があるかもしれませんね。そんなあなたに、「低刺激」の柔軟剤はないのかと探して見つけたのが、
ベビーソフター
ピジョンというベビー用品メーカーから出ている柔軟剤です。無香料・無着色。皮ふ科専門医による皮ふ刺激性テスト済みのもので、赤ちゃんでも使える柔軟剤だそうです。気になるのは成分ですが、こちらはパッケージには
・陽イオン系界面活性剤
とだけ書いてあります。この界面活性剤の詳細を直接メーカーに問い合わせたところ、
・エステル型ジアルキルアンモニウム塩
が使われているとのこと。・・・あれ?ほかの柔軟剤と一緒の成分が入っていますね。因みに、名称は明かせないが香料、その他の成分も含まれているとのことが分かりました。
なお、赤ちゃんへの使用には、パッチテストで安全性を確認しており、衣類と赤ちゃんの肌との摩擦の負担を減らし、「低刺激」であることを皮膚科医と確認しているそうです。
しかし、これまで他の柔軟剤でお伝えしてきた通り、柔軟剤に使われる界面活性剤(エステル型ジアルキルアンモニウム塩)は、残留性が高く、肌への刺激が懸念される成分です。
ベビーソフターは皮膚科医が安全性を確認していると主張していますが、「赤ちゃんでも使える」と言いながらも、他の一般的な柔軟剤とメインの成分が一緒であることは確かです。濃度などが違うのでしょうか?
また、アレルギーを引き起こす可能性のある「香料」も含まれていることが分かりました。皮膚科の医師が監修しているのであればある程度安全なのかもしれませんが、では、一般の柔軟剤と何が違って「低刺激」と言えるのか疑問が残ります。
もしかしたら、ベビーソフターは、「摩擦の負担を減らす」と書いているので、成分そのものが低刺激と言っているのではなく、柔軟剤を使わなかった場合の「ちょっと硬いゴワゴワの衣類」が赤ちゃんの肌にチクチク「摩擦」を起こし、肌に負担をかけてしまうと考えているのかもしれませんね。
であれば、確かに柔軟剤で衣類が柔らかくなれば、肌ざわりは優しくなります。そうゆう意味での「低刺激」なのであれば分かりますが、それだと含まれる成分自体がそもそも肌への刺激になるのか?については、やはりベビーソフターも懸念すべきことと思います。
よって、それぞれの柔軟剤の成分を見てここまで考えると、ベビーソフターを含めて柔軟剤はどれも使わないほうが背中ニキビにとっては一番いいと言えそうです。
【結論】背中ニキビには柔軟剤を使わないほうが良い。でも洗濯洗剤はOK!
繊細で敏感な背中ニキビ肌を守るには、残留性があり肌への刺激が懸念される柔軟剤は使用しないほうがいい、というのが結論です。
衣類に残った柔軟剤成分が背中の汗に溶け出し、肌に刺激を与えたり毛穴に不要な汚れを詰まらせる原因となってしまいます。背中ニキビは毛穴に汚れや老廃物が詰まることで起こるので、汗と一緒に柔軟剤の成分が背中を流れてきてしまっては、敏感な背中ニキビを刺激してしまい悪化させてしまうだけでなく、さらに新しい背中ニキビを作ってしまう要因となり得ます。
また、「赤ちゃん用」と銘打った商品でも、一般の柔軟剤と同じ成分が含まれている場合もありますので、どうしても使いたい場合は、「低刺激」と書いてあってもまずは成分をじっくり調べることが大切です。
一方で、洗濯用洗剤についてはそれ自体は肌への刺激性があるものであっても、洗濯機で十分というほどに「すすぎ」がされるので、成分が衣類に残留するということは考えられません。よって洗濯洗剤についてはとくに意識しなくて大丈夫です。
まとめ
(1)洗濯用洗剤は、「すすぎ」で洗い流してしまうので、特に気にしなくてOK
(2)背中ニキビで気にするべきは、柔軟剤。柔軟剤の主成分は「陽イオン界面活性剤」と呼ばれるもので、ヘアトリートメントやコンディショナーと同じ成分。肌への刺激が懸念される成分なので、使わないほうがいい
(3)「赤ちゃんでも使える」という柔軟剤であっても、一般の柔軟剤と同じ成分が使われていることも。なるべく使用しないようがいい。または、事前によく成分を確認すること
如何でしたか?背中ってずっと衣類と触れている部分なので、洗剤や柔軟剤の影響も少し気になってしまいますよね。なかなか治らない背中ニキビに悩まされているあなたは、柔軟剤を使ってはいませんか?
背中ニキビのある肌環境はとっても繊細で敏感。少しでも肌への負担を減らして、綺麗な背中を目指していきましょうね!